森の瞑想 風鈴ゆらぎコンサート

2010年7月24日(日)、神奈川県川崎市にある糀ホールで『森の瞑想 風鈴ゆらぎコンサート』がおこなわれた。今回、リズムサーカスは空間とフライヤーのデザインを担当した。風鈴演奏家の風音さん、ヒーリングボイスを担当するユンイさんが癒しの音を奏でながら、ヒーラーのえみさんが観客の心を柔らかく解きほぐす誘導をする。休憩をはさんだ2時間のコンサートは、ただの音を聴くコンサートではなく、心の奥深くまで届く時間となった。

文・写真:吉田みさと

 

【ヒプノセラピー×音楽】

「音楽を通じてお客様の心を開くような、新しい自分と出会えるようなコンサートがしたい。」

そう語る風音さんとリズムサーカスクルーが偶然出会えたことが、今回風音さん、ユンイさん、えみさんとリズムサーカスが協働させていただくことになったきっかけだ。「森の癒しをイメージした空間の中で演奏できたら素敵なんじゃないか」という風音さんやえみさんの提案をイメージの種として、リズムサーカスクルーは癒しの世界のイメージを育んだ。森のような空間、音、心を解き放つ言葉。全てが区別されることなくひとつになることを目指した。

「ヒプノセラピーと生の音楽がコラボレーションすることは、とても画期的なことです。」

ヒーラーのえみさんはそう語る。ヒプノセラピーとは、『心の無意識の部分をデトックスする方法』。相手に語りかけることによって心を解き放つ誘導をする。そうした心の誘導は、音楽の中にも存在すると思う。音が心の色を変え、思考の方向性を変化させることがある。悩みや不安を心の奥底から汲み取り、それを外に発散させ、暖かい気持ちを心に吸収させる。えみさんが普段目指している方向性と、風音さんやユンイさんが奏でる音の方向性は、見事に重なっていたのだ。


 

【森の瞑想】

当日、会場には森の葉をイメージしたオブジェが吊られ、ステージ部分には森にできた水面に見立てて、黒い鏡のような紙が敷かれた。暖色の間接照明が風鈴やオブジェを照らす。通常の椅子席に加え、座布団席や御座席なども用意された。みずみずしい森、静かな空気、涼しさ。さまざまな要素が届くよう願いをこめて、空間を創り上げた。

風音さんの演奏とともにコンサートが開始されると、その空間に音が深く染み込んだ。瞑想へと誘う導入曲のあと、「ゆっくりと落ち着いて楽しんで下さい」と風音さんは挨拶した。真剣に肩に力をいれて聴くコンサートではなく、全身からリフレッシュできるような場にしたい、という風音さんの願いの感じられる言葉だった。

えみさんはお客様のひとりひとりに話しかけるように問う。

「イメージするとなんでも実現できるという話は、ご存知ですか?自分に隠れていた無意識の自分を、ありのまま感じてみてください。」 普段立ち返ることのない自分自身の奥に目を向けてみること。それがいちばんの契機になる。柔らかい自然音と共に、瞑想の時間が流れる。目をつぶり、小川のせせらぎ、小鳥のさえずりをイメージする。深い呼吸と共に、心の奥底のストレスを吐き出していく。えみさんの言葉が体をめぐり、静かに自分と向きあう時間に出会えた。

 

瞑想の時間のあと、「七沢の癒しの森の波動水」がお客様ひとりひとりに配られた。えみさんが祈りを捧げ、ユンイさんがチベタンベルを鳴らす。この水は実際に癒しの森で湧く水を風音さんが汲んできたものだ。祈りをこめた水を配り、それを飲むという行為によって神と繋がる儀式として、今回コンサート内に取り入れた。

風音さんの演奏とユンイさんの歌声で、再び会場の雰囲気が優しくなっていく。徐々にお客様の出す雰囲気が柔らかくなり、それが会場全体に伝わっていくのが感じられた。その中で、えみさんはゆっくりと心の中の黒い部分を外側に吐き出す誘導をする。ゆるやかな時間が流れ、人の「気」が変わっていく。

休憩の時間、風音さん、えみさん、ユンイさんがお客様ひとりひとりに「ありがとう」と言っている姿がとても素敵だった。会場の声を聴き、大切にする。どこで演奏しても、いつ出逢っても、全ての人の声を聴いてくださるから、リズムサーカスクルーも出会えたのだった。

休憩後、風鈴の音と瞑想でさらに心が解きほぐれたあと、ユンイさんの「ありがとうのうた」が演奏された。

「『ありがとう』という言葉自体に、人をしあわせな気持ちにする力がある」

以前ユンイさんはそう語っていた。その言葉どおり、「ありがとう」という言葉をシンプルな旋律にのせて歌う「ありがとうのうた」は、しあわせな気持ちを呼び起こしてくれる。自然とお客様も一緒に歌いはじめ、最後は会場全体が「ありがとう」という言葉に満たされた。

全ての演奏終了後、風音さん、えみさん、ユンイさん、リズムサーカスクルーで会場の皆様に感謝の気持ちをこめて一礼する。暖かい気持ちを共有できたコンサートだった。